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潰瘍性大腸炎は牛乳を飲んではだめなのか?

まずは、牛乳を紹介します。皆さんは、潰瘍性大腸炎の患者さんには牛乳を避けるように説明されていますでしょうか。私が若い頃には、教科書に「牛乳は避けるように」と書かれていたので、その根拠となる原著を探したことがあります。その時代は、今のようにネット検索はできませんので、教科書を書かれた先生に尋ねたりしました。執筆された先生のなかには、以前の教科書をみて、そのように書いてあったので、そう書いたと話された先生もいました。

その当時、潰瘍性大腸炎は欧米に多い疾患でしたが、欧米の教科書には牛乳を避けることは書かれていなかったです。いろいろ探してみると、日本で最初にそのことを書いた先生は、潰瘍性大腸炎と乳糖不耐症を誤訳していた可能性があるようでした。その後、潰瘍性大腸炎も乳糖不耐症も下痢をする病気なので、下痢をしやすい牛乳は避けるということが、違和感なく受け入れられたのかもしれません。

潰瘍性大腸炎の患者さんが牛乳を飲んではいけないという研究報告はないようでしたが、若造の私が牛乳を避ける必要はないと言ってもだれも信じてくれません。そこで、その頃、多数の潰瘍性大腸炎を診療されていて、当時、東大におられた武藤徹一郎先生に相談したところ、教科書に「潰瘍性大腸炎の患者には、乳糖不耐症により乳製品で下痢をする人以外は、乳製品の摂取を許可してもかまわない。乳製品摂取のために症状が悪化した例は経験したことがない。」と書いてくれました。超大御所の武藤先生が、このように書いてくれたおかげで、現在は潰瘍性大腸炎患者さんに牛乳を避けるようにという先生は、ほとんどいなくなったように思います。

ただ、日本人は乳糖不耐症が多いですので、潰瘍性大腸炎患者さんも牛乳を飲むと下痢をする人は、やはり避けた方が良いですね。

コメント

  • 乳糖不耐症の字が違います。真面目な内容が入ってこなくなるので変えた方がいいかと。

  • 木村様
    このたびはブログの誤植につきまして、ご指摘いただきありがとうございます。
    早速修正させていただきました。
    新しい記事の投稿が滞っておりますが、早めに再開したいと思います。
    このたびはコメントいただきありがとうございました。

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