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潰瘍性大腸炎の常識・非常識

私は、最近は主に癌関係の研究をしていますが、若い頃は潰瘍性大腸炎の研究もしていました。
30年ほど前は、まだ、潰瘍性大腸炎の患者さんも少なく、治療薬もステロイドやサラゾピリンぐらいしかありませんでした。症状が改善しなければステロイドを長期間投与することもあり、ステロイドによる副作用で十二指腸潰瘍や白内障、圧迫骨折、成長障害などになっている患者さんもおられました。
治療方針も学派によりバラバラで、ステロイドを大量に投与してがっちり治療する学派、すぐに大腸全摘術をする学派、なるべくステロイドを使わず病気と付き合っていく学派(私はこの学派でした)などが乱立している状況でした。
その頃、潰瘍性大腸炎の治療として、牛乳は飲んではいけない、低残渣食を心がける、症状悪化時には絶食することが常識でした。当時の潰瘍性大腸炎の教科書には「炎症性腸疾患については科学的裏づけがある明確な食事指導法はないといってもよいでしょう。しかし、食事指導は不可欠です!」などと、訳の分からないことまで書かれていました。その後、これらの常識は覆されていきました。
これから、数回にわたり、本ブログで、潰瘍性大腸炎の常識が変わっていったことを紹介したいと思います。

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