フォローアップとサーベイランス
患者さんを治療した後は、定期的に経過観察をして、再発がないかなどを確認しますが、このような経過観察は「フォローアップ」、「サーベイランス」のどちらを使っていますでしょうか。「フォローアップ」は「経過観察」とほぼ同じ意味で、患者さんを経過観察する場合に用います。それに対して、「サーベイランス(surveillance)」は「基礎から学ぶ楽しい疫学第4版;中村好一先生著」によれば「サーベイランスとは、疾病の予防と管理を目的として、疾病の発生状況やその推移などを継続的に監視することにより、疾病対策の企画、実施、評価に必要なデータを系統的に収集、分析、解釈し、その結果を迅速かつ定期的に還元するものである。観察対象は個人ではなく集団」と書かれており、データ収集のためのシステムのことであり、個人の経過観察のときに用いる用語ではないのですね。ただ、これは疫学における定義であり、最近は、経過観察のことを「サーベイランス」と称していることもあるようです。