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学会での質問

皆さん、学会に参加されたことはありますね。若い時に、上の先生から「学会に参加したからには、1回ぐらいは質問をしなさい」と言われた人も多いと思います。学会に参加していて、眠いなぁ、と思っていても、この発表に対して質問しなくては、と考えると眠気も覚めてしまうので、質問を考えるのは悪くないですね。学会ではなぜ、質問をするのでしょうか。学会での質問には下記のように分類できると思います。

1) 発表内容に問題点・不明点・疑問点あり、それを問う。

2)その発表は私達が先に報告している。同様の経験をした。

3)このような研究を追加すれば、さらに良い研究になると提案する。

ほとんどの場合は1)ですね。参加者全員が疑問に思うであろう点については、最初に座長が確認することが多いです。結論が自分の考えと異なる場合など、しっかりディスカッションをすることが、学会の醍醐味ですので、ドンドン発言するのが良いと思いますが、その場合も感情的にならず紳士的に質問しましょう。また、ちょっと気まずい雰囲気になった場合には、発表後に会場を出て、名刺交換などをして挨拶をするのも良いと思います(次の人の発表の邪魔にならないように、会場から出てお話しましょう)。

2)については、同様の結果は私達がすでに○○雑誌にて公表している、などpriorityを主張することも悪くないですが、そのときには、自慢話になると感じが悪いので、さらっと言うようにしましょう。症例報告などで同様の症例を経験した、などは重要な情報なので、もしも、そのような経験があるならば、ぜひともお話しましょう。場合によっては、共同研究に発展するかもしれませんね。

3)は、とても前向きな提案で素晴らしいですが、なかなか難しいですね。会場で質問の内容を聞けば、質問者がこの分野について理解しているかばれてしまうので、かなり十分に考えてから話をしないと恥をかきそうです。

質問の最初に、「素晴らしい発表、ありがとうございます」と言う先生が増えましたね。紳士的な対応で、悪くないと思いますが、心にもないことを言っているな、と感じることもありますね。せっかく最初に褒めるのであれば、ピンポイントに短く具体的なところを褒めてから質問する方が、おしゃれですね。

発表を聞いていて、悪い点はすぐに気がつきますが、褒めるべき点を見つけるためには、かなり真剣に聞く必要があります。ぜひとも発表を聞くときには、問題点だけでなく、この発表の良いところもしっかり探しましょう。

質問は、だらだらとするのではなく、すっきり、わかりやすく質問をするようにしましょう。新型コロナウイルスの流行後、ほとんどの学会がウエブ開催になってしまいました。ウエブ開催では、チャットでの質問も一方通行になりますし、質の高いディスカッションは、とてもやりにくいように思います。やはり学会はリアルに現地で参加したいですね。

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