一次予防と二次予防の効果の違い
毎週、月曜にブログをアップする予定にしていたのですが、先週は雑用におわれアップすることができず、申し訳ございませんでした。
以前のブログで「癌の一次予防」や「癌の二次予防」を紹介しました。「癌の一次予防」は禁煙などにより「発癌を予防する」、「癌の二次予防」は検診などにより早期発見・早期治療をして「癌死を予防する」ことですね。例えば、胃癌の死亡者数が減ってきたときに、この2つの予防のどちらによる効果だったのかを知る方法があることをご存じでしょうか。
胃癌の場合、二次予防は胃癌検診、一次予防はピロリ菌の感染減少が代表的ですね。もしも、二次予防の検診が有効であった場合には、胃癌の死亡率は減少しますが、発癌は予防しないので、罹患率は変化しません(本当は、過剰診療があり、罹患率は増えることが一般的です)。それに対して、一次予防が有効な場合には、まず、罹患率が減少し、それを追いかけるように死亡率が減少します。
すなわち、罹患率と死亡率の変化を比べることにより、一次予防(発癌予防)と二次予防(癌死予防)の効果の違いを知ることができます。国立がん研究センターのホームページで、臓器別の年別罹患率と死亡率は簡単にダウンロードできますので、現在、死亡率が減少している肺癌や肝癌、胃癌などが、どのような理由で減少しているのかを、グラフを書いて考えてみると面白いですね。胃癌の減少はどちらの理由だったのか、ぜひとも調べてみてください。