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リンチ症候群

自分の家族や親戚は、若い時に大腸癌や子宮癌になった人が多いなぁ、と思われた人はおられますでしょうか。そのような家系は「リンチ症候群」の可能性があります。

「リンチ症候群」は、大腸癌や子宮体癌、胃癌などが発生しやすい体質になる常染色体優性遺伝形式の遺伝性疾患です。日本人も多数の方が、この体質を持っていると考えられていますが、あまり医師の間でも知られておらず、自分がリンチ症候群と知っている人はとても少ないです。もしも、この体質であることが分かれば、生活習慣を見直し、早い時期から内視鏡検査や子宮体癌検診を受けることにより、癌で死亡することを避けることができますので、多くの人に知っておいてほしい知識と思います。

そこで、日本消化器病学会付置研究会「がんゲノム医療時代における Lynch 症候群研究会(代表:田中信治先生)」において、医師向けのリンチ症候群を紹介する小冊子を作成しました。下記のホームページからPDFを見ることができます。

https://endosc.hiroshima-u.ac.jp/images/Lynch.pdf

医師の皆さんには、ぜひとも読んでほしいと思います。また、医師以外の方にもわかりやすく書いていますので、興味のある方は、読んでみてください。

リンチ症候群の癌は、治療後の成績の良い人が多く、また、免疫チェック阻害剤の効果もとても良いことが知られています。自分の体質を知ることにより、心配が増えることもありますが、生活習慣の見直しや「早期発見・早期治療」による対応策がありますので、前向きに自分の体を守る情報にしてほしいです。

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