お勧めの統計の本
臨床医にとって統計はとても難しいですね。臨床医は、毎日一人一人の患者さんと向き合って診療しており、その患者さんにとっては100か0かの世界ですので、「この患者さんは40%治る」と言われてもピンとこないですね。ただ、臨床研究をする時には、どうしても統計は避けて通ることができませんので、統計の本を買われた先生も多いと思います。ただ、統計の本は、難しいものが多く、読み切ることができないことが多いですね。
下記の本は、とてもボリュームも少なく読みやすいので、お勧めです。
「たったこれだけ!医療統計学(奥田千恵子訳)」金芳堂
現在、第3版が出ています。数式ほとんど出ておらず、シンプルな記載(ちょっとシンプルすぎるぐらいです)で臨床の先生にもわかりやすい内容と思います。奥田千恵子先生は、他にもいろいろ本を書かれていますが、どれも読みやすい内容です。
他には、大阪市大の新谷歩先生も統計を臨床医にわかりやすく解説されていますのでお勧めです。You Tubeで講義を見ることもできますので、ぜひともチェックしてみてください。
古典的な統計に対するものとして、「ベイズ統計」があります。事前確率から条件を加えることにより事後確率を求めるベイズ統計の考え方は、日常診療で患者さんの診断をつけるときに常に医師が行っている思考にとても似ているので、医師にとってはなじみやすい統計だと思います。興味のある先生は、ぜひともベイズ統計も勉強してみてください。ベイズ統計では、下記の本をお勧めです。
「なぜベイズを使わないのか!? -臨床試験デザインのために-(手良向聡著)」金芳堂
https://www.kinpodo-pub.co.jp/book/1723-8/
医療関係では、ますますベイズ統計が重視されるようになるかもしれません。
私も、死ぬまでにベイズ理論をなんとか理解したいと思っているのですが、本を読んでわかった様な気持ちになっても、すぐに混乱してしまいます。勉強しなくてはならないことが多すぎて大変です!